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2010年10月4日月曜日

ゴルゴンゾーラのジャケットポテトをスコッチで

トム・フォードのジャケットスーツを身に着けた1960年代生まれの男性が目の前に現れたならば、わたしはすぐさま恋に落ちるに違いない。
村上春樹の小説のタイトルをかりれば、4月のよく晴れた朝に100パーセントの女の子に出会う気分だ。
糊の利いた白いYシャツにオーソドックスだけれどラインにこだわったトム・フォードのスタイリッシュなジャケットスーツ。
40代男のすこし脂の乗った胸板が白いYシャツにフィットしてそのフォルムがなんともいえず艶かしい。
「男は40歳を過ぎてから」と四半世紀しか生きていない小娘が訳知り顔で語るには差し出がましい気もするが、実際同意する女性は多いのではないだろうか。

今日、映画『シングルマン』を見た。
稀代のデザイナー、トム・フォードの初監督作品である。

1960年代のロサンゼルス。大学教授の初老の男性が、16年間連れ添ったゲイのパートナーを失った悲しみから自殺を決意した日、その一日の物語だ。
映画の感想はあえてかかないが印象的なシーンだけ書かせていただく。

映画がはじまってすぐ、主人公が、大学に出かえるためにスーツに着替えるシーンがある。
ネクタイを締め、ジャケットを着、靴を磨き、髪を櫛で整える。音がしそうなほどにピシリと。

また、主人公はイギリスからの移民である設定で、
劇中主人公はたびたび死の決意を決めた自分を奮わすためにスコッチ・ウィスキーをあおる。

朝方ピシリと着たスーツもYシャツも夜になるにつれ酔いもまわり、
だんだん着崩れていく。

しかし、そのよれたスーツ姿こそ
コリン・ファースの渋みのある存在感が漂い、そこはかとなく死に向かう醗酵した、なんともいえない演技のコクを出していたのだ。

見終わった後、
ゴルゴンゾーラチーズをあえたあつあつのジャケットポテトとスコッチウィスキーが飲みたくなった。

できれば、トム・フォードのジャケットスーツを着た40代男性とご一緒に。
(着崩れていれば尚良し)

 イギリス料理
ジャケットポテト
<作り方>
(1)じゃがいもは全体的にフォークで穴を開けておく。
   皮の上から油と塩少々をすり込む。
(2)200度のオーブンで下準備したじゃがいもを 1時間  ほど焼く。
  竹串がスーッと通るまで。
(3)じゃがいもを真ん中で割り、上から溶けたゴルゴンゾーラチーズをかける。
  ※パセリなどをふりかけて
   バターやサワークリームなどが定番。

ジャケットポテト
皿に持っても、皮をむかず「着ている」状態のためジャケットポテトと名づけられたそう。



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